5分でわかる物流効率法の改正のポイント

抜本的・総合的な物流対策の推進に向け法改正を行いました。

荷主・物流事業者に対する規制的措置

法律の名称を「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」から 「物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化法)」に変更します。

流通業務総合効率化法 → [2024年5月改正]改正物流効率化法
  1. POINT 01

    荷主・物流事業者に対し、物流効率化のために取り組むべき措置について努力義務が課せられます。

  2. POINT 02

    上記取組状況について、国が判断基準に基づき指導・助言、調査・公表等を行います。

  3. POINT 03

    一定規模以上の者を特定事業者として指定し、中長期計画の作成等を義務付け、計画に基づく取組の実施状況が不十分の場合、勧告・命令等を実施します。

  4. POINT 04

    特定事業者のうち荷主・連鎖化事業者には物流統括管理者の選任を義務付けます。

すべての荷主・物流事業者の努力義務について2025年度施行

すべての荷主・物流事業者に対し、物流効率化のために 取り組むべき措置について努力義務が課せられます。

荷主

  • 第一種荷主・第二種荷主

    • 発荷主が運送手配(契約)を行う場合

      • 第一種荷主=発荷主
      • 第二種荷主=着荷主
    • 着荷主が運送手配(契約)を行う場合

      • 第一種荷主=着荷主
      • 第二種荷主=発荷主
  • 連鎖化事業者

    いわゆるフランチャイズチェーンの「本部」

    ※フランチャイズビジネスにおいて、フランチャイズチェーンの「本部」が、加盟店(連鎖対象者)と運送事業者との貨物の受渡しについて運送事業者に指示ができる場合(フランチャイズチェーンの本部が加盟店を通じて、実質的に加盟店と運送事業者のとの貨物の受渡しについて運送事業者に指示ができる場合も含む。)

事業者

  • 貨物自動車運送事業者等

    一般貨物自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者、貨物自動車運送事業者、特定二種貨物利用運送事業者

  • 貨物自動車関連事業者

    倉庫業者、港湾運送事業者、航空貨物運送事業者、鉄道貨物運送事業者で、トラックドライバー(運転者)との間で、貨物の受渡しを行う者

努力義務と主な取組内容

荷主・物流事業者は、トラックドライバーの荷待ち時間等の短縮や運転者一人当たりの積載効率を高めるよう努めなければなりません。

努力義務 各主体の努力義務対象 取組内容(抜粋)
第一種荷主(主に発荷主) 第二種荷主(主に着荷主) 連鎖化事業者(フランチャイズチェーン本部) 貨物自動車運送事業者等 倉庫業者 それ以外
1.積載効率の向上
1回の運送でトラックに積載する貨物量を増加する
〇
〇
〇
〇
  • 複数荷主の貨物の積み合わせ
  • 繁閑差の平準化、納品日の集約
  • 物流・販売・調達等関連部門の連携
2.荷待ち時間の短縮
ドライバーが到着した時間から荷役等の開始時間までの待ち時間を短縮する
〇
〇
〇
〇
  • トラック予約受付システムの導入
  • 混雑日時を回避した日時設定
3.荷役等時間の短縮
荷役(荷積み・荷卸し)等の開始から終了までの時間を短縮する
〇
〇
〇
〇
  • 輸送用器具導入による荷役等の効率化
  • パレット標準化
  • タグ導入等による検品の効率化
  • 事前出荷情報の活用
4.実効性の確保
〇
〇
〇
〇
〇
〇
  • 責任者の選任、社内教育体制
  • 取組の実施状況・効果の把握
  • 物流データの標準化の取組
  • 関係事業者間での連携推進

荷主等の取組状況に関する指導・助言、調査・公表等について

国は、 「積載効率の向上等」、「荷待ち時間の短縮」、「荷役等時間の短縮」、「実効性確保」について適切に取り組めるよう、必要な指導や助言を行います。また、トラックドライバーの運送・荷役等の効率化のために必要があると認めるときは、調査を行い、その結果の公表を行うこととされています。

荷主等の取組状況に関する調査・公表のポイント

  1. POINT 01

    物流事業者を対象として、優良な取組や物流改善の取組等の把握を目的とした定期的なアンケート調査を実施。

  2. POINT 02

    主要な荷主等の取組状況について、荷待ち・荷役等時間の短縮、積載効率の向上等を把握するとともに、回答を点数化し、点数の高い者・低い者も含め公表。

  3. POINT 03

    悪質な事例を捕捉した場合には、必要に応じてヒアリング等を行い、トラック・物流Gメンや公正取引委員会等による働きかけや要請等につなげていく。

一定の規模以上の荷主・物流事業者の指定と取り組むべき事項※2025年4月時点の検討状況

特定事業者の指定

一定規模以上の荷主・物流事業者等は「特定事業者」として指定され、中長期的な計画の作成、物流統括管理者の選任(特定荷主及び特定連鎖化事業者のみ)、定期の報告等が義務付けられます。また、努力義務の実施状況が不十分な場合、国が勧告・命令を実施します。
各事業者の特定事業者への指定基準値は、以下のとおり定められる予定です。

  • 特定第一種荷主

    取扱貨物の重量

    9万トン以上

    貨物自動車運送事業者又は貨物利用運送事業者に運送を行わせた貨物の合計の重量(各年度)

  • 特定第二種荷主

    取扱貨物の重量

    9万トン以上

    自らの事業に関して、次に掲げる貨物の合計の重量(各年度)

    1. 運転者から受け取る貨物
    2. 他の者をして運転者から受け取らせる貨物
    3. 運転者に引き渡す貨物
    4. 他の者をして運転者に引き渡させる貨物
  • 特定連鎖化事業者

    取扱貨物の重量

    9万トン以上

    次に掲げる貨物の合計の重量(各年度)

    1. 連鎖対象者が運転者から受け取る貨物
    2. 連鎖対象者が他の者をして運転者から受け取らせる貨物
  • 特定貨物自動車運送事業者等

    保有車両台数

    150以上

    年度末において保有する事業用自動車の台数

  • 特定倉庫業者

    貨物の保管量

    70万トン以上

    倉庫に入庫された貨物の合計の重量(各年度)

取り組むべき事項

中長期計画の作成

特定事業者は、定期に判断基準を踏まえた措置の実施に関する中長期的な計画を作成することが義務付けられます。

定期報告

特定事業者は、指定を受けた翌年度以降の毎年度、「努力義務」の実施の状況に関して、報告する必要があります。

物流統括管理者
(CLO)の選任

特定荷主及び特定連鎖化事業者は、物流統括管理者の選任が義務付けられます。

物流統括管理者の要件

事業運営上の重要な決定に参画する管理的地位にある者
(重要な経営判断を行う役員等の経営幹部から選任される必要があります。)

物流統括管理者の業務内容
  • 中長期計画の作成
  • トラックドライバーの負荷低減と輸送される物資のトラックへの過度の集中を是正するための事業運営方針の作成と事業管理体制の整備
  • その他トラックドライバーの運送・荷役等の効率化のために必要な業務

一定規模以上の特定事業者に対する勧告・命令

特定事業者は、努力義務として課せられる措置に関する取組状況が、国が示す判断基準に照らして著しく不十分である場合、国から当該措置を取るべき旨を勧告されることがあります。

報告徴収

努力義務として課される措置に関する取組状況が著しく不十分な場合、勧告・命令をするために必要な限度で報告徴収や立入検査を行う場合があります。

公表・命令

勧告に従わなかったときはその旨が公表され、さらに、正当な理由なく措置をとらなかったときは、当該措置を取るべきことを命令されることがあります。
命令に違反したときには、百万円以下の罰金が科せられます。

物流効率化法の改正ポイント
物流効率化法の改正ポイントを冊子(リーフレット)としてとりまとめています。
「冊子のダウンロード」ボタンからダウンロードいただき改正ポイントをご確認ください。